交尾

「どうか筆下ろしをお願いいたします!」

床のカーペットの上で正座し、背筋をぴんと伸ばして、怯えた子犬みたいな目に悲壮感を滲ませながら、全裸の君は懇願した。
そして体を折り、額を床につけてひれ伏しながら、重ねて言う。
「お願いいたします!」

「はあ?」
ソファに身を沈めながら脚を組んでいる女の子は呆れ、嘲笑った。
「おまえ、うちの親より年上だし、超受けるんだけど」

君は今、一糸まとわぬ裸で床に跪いているが、脚を組んで余裕の態度でそんな君を見下ろしている女の子はきちんと服を着ている。
白いデニムのミニスカートから伸びる脚は長く、程よく肉感的で、浅黒く日焼けしている。
むっちりとした太腿の張りが素晴らしい。
君は、その脚に抱きつき、両の掌を執拗に這わせ、そして頬擦りをし、一心不乱に舐めたいと考えているが、もちろん許可もなくそんなことをするなんて決して許されない。
故に君は、破廉恥にペニスを勃起させ、悶々と見つめるだけだ。

女の子が煙草を咥える。
君はじっと女の子の爪先を見つめている。
赤いペディキュアが爪に塗られていて、まるでキャンディのようだ、と君は思う。
すると、いきなり君は頬をビンタされた。

「火」
「あ、申し訳ございません」

君は慌てて灰皿の傍らに置かれていたライターを手に取り、「失礼します」と言って点火してその火を女の子の煙草の前へ差し出した。
女の子は何も言わずに火を移し、煙を君に向かって吐いて「ほんとにグズだな」と言う。
君はライターを元の位置に戻した後、両手を正座の膝の上に置いて「すみません」と俯く。
他にこたえようがない。
むろん「グズではない」と反論することなど出来ないというか、そんなことが許されるはずがないし、かといって「グズです」と認めたって、そんなことはわかりきっているから意味がない。
要するに、君がグズであろうが、なかろうが、全然問題ではない。
女の子が「グズ」だと言えば、君はグズなのだ。

「ていうかさ、おまえほんとにその歳で童貞なの?」
女の子が脚を組み替え、煙草を指に挟んで訊く。
「はい……」
君は消え入りそうな声でこたえる。
「その歳までひたすら自分で自分のチンコ扱いてんのか? 寂しい人生だな」
女の子が鼻で笑う。
そして「まあ、いいけど」と続け、煙草を斜めに咥えると、漂う煙に目を顰めながらベッドに上がって大きな枕に背中を預け、脚を開いた。
続いて、さっさとパンツを脱いで膝を立てると、「来い」と右手の人差し指を動かした。
「はい。失礼致します」
君はいそいそとベッドに上がり、女の子の体の傍らで正座をする。
女の子は咥え煙草のまま君を見て、言う。

「まず自分でゴムつけて、マンコをちゃんとしっかり舐めて濡らしてから入れろ。で、入れたら、勝手に腰振って勝手にイケ。セックスの仕方を知ってるのかどうか知らんけど、まあ、わかったな?」
「はい」
君はこくりと頷き、「ありがとうごさいます」と言った後、重ねて訊いた。
「あのう、おっぱいを揉んだり吸ったりしてもよろしいでしょうか」
すると女の子は面倒くさそうにブラウスのボタンを外してその胸元をはだけ、ブラジャーを取るのではなく、ずらして豊かな乳房とピンク色の乳首を出した。
「これ以上服脱ぐのは面倒くさいし、ていうかおまえなんか相手に全部脱ぐ気はないし、吸いたければ吸えば?」
「ありがとうごさいます!」
君は既に激しく勃起していて、「失礼します」と言いながら、怖ず怖ずと女の子の体に覆い被さると、胸を揉み、乳首を口に含んで強く吸った。

君は歓喜に震えながら、猛然と女の子の体を貪っていく。
女の子は煙草を吹かしながら、ぼんやりと天井を眺めている。

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カテゴリー:金の鎖、銀の鞭
  1. 最高です。
    2010/06/0912:17

    毎日こんな妄想ばかりしてます。この続きは書かれないのでしょうか?

  2. nk
    2010/06/0923:55

    どうも。掌編は基本的に「場面」を切り取って終わりにしているんで、また違った切り口で同じようなシチュエーションは書くかもしれないですが、今回のこれはここまでですね。

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