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夜半の雪が淋しく降る理由

シャワーを終えて体を拭き、君がバスルームから出てくると、女王様は既にボンデージに着替えてゆったりと脚を組みながら椅子に座っている。
君は使ったバスタオルをベッドに置き、もう既に勃起している股間を手で隠しながら女王様の前へ進む。

「手をどけなさい」

女王様が命じ、君が「はい、すみません」とこたえて手をどける。
出現した勃起に、女王様はあからさまな侮蔑の笑みを浮かべた。
君は女王様の足許に到達し、跪くと、体を小さくしてひれ伏し、調教のご挨拶を述べる。

「女王様、ご調教をよろしくお願いいたします」

女王様は君の調教のご挨拶に対する返事として、無言のまま、額を床のカーペットにつけている君の後頭部をピンヒールの底で踏んだ。
君はその重みを受け止めながら、マゾに落ちた自分の立場を確認する。
クリスマス・イブの夜、午後十一時過ぎ。
超高層ホテルの高層階にある広いツインルームは静まり返っていて、君はこのご挨拶の瞬間、自ら望んで一匹のマゾ豚へ堕ちた。

調教が開始され、君は侮蔑の言葉や視線やビンタによって、瞬く間に変態マゾとして覚醒していった。
それは日常から非日常の世界へと滑り落ちていくような感覚で、君はなす術もなく、というより、その移行に抗う気持ちすらなく、屈辱的に扱われれば扱われるほど、恥辱に塗れたマゾとしての歓びに満たされていく。
マゾというのは単なる性癖ではない。
もはやそういう生き物といっても言い過ぎではない。
「男」とか「女」とか、そういう「性別」に近いものがあり、もしかしたら「ゲイ」と同列で語られるべきなのかもしれない。

足フェチの君に、女王様はヒールを脱いだ。
そして椅子に座ったまま足を投げ出し、床に跪いている君に爪先を与えた。
「お舐め」
「ありがとうございます!」
私服としてブーツを履いていたからか、女王様のおみ足は甘く饐えた香りを放っていて、君は膝立ちになると、与えられた足の踵を両手で大事そうに持ち、夢中でしゃぶった。
尋常ではないレベルでペニスが限界までそそり立ち、先端から透明な液が滴る。
「クリスマス・イブに女王様の臭い足を舐めて喜んでる変態。しかも何、このはしたないチンポ、涎まで垂らしちゃって」
女王様が空いている方の足で君の性器を弄り、鼻で笑う。
「申し訳ございません」
君は一心不乱に黙々と足の指をしゃぶり続けながらこたえる。
「ふつうのマトモな男なら今夜はセックスしてるだろうに、おまえはド変態だからわざわざお金を払って女王様に苛められてる……人として最低レベルというか終わってるわよね」
「は、はい……申し訳ございません……」
君はそれでも執拗に足の指を舐め続けながら小声でこたえる。

やがて女王様は、すっと足を引くと、君の額を爪先で軽く蹴って後ろへ下がらせ、立ち上がった。
そしてベッドに並べてあった道具の中からペニスバンドを取って装着すると、ローションのボトルを持ち、正座している君の髪を掴んで立たせた。
「ちょっと、いらっしゃい」
「はい」
君は勃起したペニスを股間でぶらぶらさせたまま、女王様に引きずられるようにしてカーペットの上を歩いて窓際へ進む。

窓際まで君を引っ張ってくると、女王様は窓に弾かれていたレースのカーテンを勢い良く開いた。
すると、床から天井までほぼ一面を占める巨大なガラスの向こうに、光り輝く都会の夜景が広がった。
激しく雪が吹雪いている。
数時間前に君がこのホテルへチェックインしたときは、かなり寒く、空は曇っていたが、まだ雪は降っていなかった。
立ち並ぶ高層ビルにはまだ多くの明かりが灯っていて、明滅する赤いライトが、今にも消えそうな街の心音を示すように、曇る夜空の中に滲んでいる。
他の高層ホテルにも明かりが鏤められている。

「犯してやるから、窓に手をついて、尻をこっちに向けて突き出しなさい」
女王様が君の髪を無造作に掴んでその体ごと窓へ押し付け、君は頬をガラスに押し付けられた無様な格好のまま「はい」とこたえた。
女王様が君の髪から手を離した。
君はいったん窓辺から距離を置き、少ししゃがんでから両手を伸ばすと、掌を窓につき、肘をピンと伸ばして、背中をほぼ水平にしながら、尻を後方へ突き出す。

窓の外には光り輝く都会の無音の夜景が広がっている。
雪が舞う、クリスマスイブの夜景は、まるで未来映画のワンシーンのように美しかった。
白い雪片が風に煽られるように激しく吹雪いていて、散らばる無数の光の粒を霞ませ、滲ませている。

君はそんな夜景を眺めながら、壮絶な寂寥感に突き上げられた。
一年のうちでもっとも多くの人がセックスをしているといわれるイブの夜の午後十一時半。
この景色の中の無数の窓明かりの場所でも、今まさに多くの人が裸で抱き合い、愛を囁き合いながら、互いの体を貪っていることだろう。
そもそもこの巨大なホテル内でも、この瞬間、相当数のベッドがギシギシと軋んでいるはずだ。
なのに君は、歪んだ性癖ゆえに、この聖なる夜に代金を支払って本名すら知らない女王様からSMの調教を受けていて、しかも尻の穴を犯されようとしている。
もちろんそれは紛れもなく君自身が望んだことで誰からも強制されたわけではないし、そうされることが嬉しいのだし、変態の自分を否定するつもりはさらさらない。
むしろ変態の自分の聖夜の過ごし方としては、確信には少し足りないが、限りなく正解に近いだろうという予感はある。
それでも、虚しさと物悲しさが、冷たく巨大な繭のような淋しさを形成して君を包み込むのだった。
それは決して理屈では説明ができない感情だった。
自分が救いようのない変態のドマゾだとはわかっている。
イブの夜にわざわざ自分から望んで、世間バレすれば眉を顰められ嘲笑されても仕方ないMプレイに興じていることもわかっている。
しかしそれでも一抹の淋しさを感じてしまい、その淋しさが、いま窓の外で降り続く雪のように、心の深層に音もなく積もっていくのだった。

夜景を透かすようにして、ガラスには室内の様子が白く映っている。
女王様が、君の背後に立ち、丸見えになっている尻の穴にたっぷりとローションを垂らす。
そのひんやりとした感触に、君は体をびくんと撥ねさせ、尻の穴をきゅっと締めた。
女王様はゴム手袋をはめた右手の指で穴の周辺をなぞり、少しずつ挿入して強張りを解しながら、左手を伸ばして君の髪を後ろから掴んで引っ張る。
君は体をのけぞらせ、女王様は指を穴から引き抜くと、君の尻を両手で持って固定した。
緊張感が一気に高まり、君は息を止めて体を強張らせる。
「口を開けて息をしてなさい」
女王様が言い、君が命じられた通りに口を開けて息を吸った瞬間、剥き出しのアナルにペニバンが深々と沈められた。

「あぅ」

君は背中をのけぞらせる。
女王様は君の尻を抱えたまま腰を突き立ててディルドを挿入し、最初はゆっくりと、次第に、だんだん激しく腰を振る。
疑似ペニスが君の卑猥で節操のない尻の穴を抉り続ける。
女王様が挿入を続けたまま背中から覆い被さり、両手の爪で君の乳首を摘むと、きゅっと抓った。
君はその刺激にたまらず「あん」と声を漏らす。
女王様が腰を叩き付けるようにディルドをピストンする。
君は更なるアナルの快感を貪るように、窓ガラスに両手をついたまま、女王様の腰の律動に合わせて自分も淫らに腰を振った。

「あんあん」

君は女のように喘ぎ続ける。
そうしながら、美しい都会の夜景と、ガラスに反射している女王様の侮蔑の冷笑から逃れるように俯き、視線をカーペットの床に落とす。
快感に貫かれながら、歯を食いしばり、ぎゅっと目を瞑る。
女王様が、左手で君の乳首を摘みながら、右手を股間に手を差し入れ、完全にいきり立っているペニスを握り、親指の腹で亀頭をひとしきり擦ってから、茎をしごく。
そうしながら耳たぶを噛み、「いやらしい変態マゾ豚」と囁く。
君の顔に女王様の長い髪が触れて、漂う甘い香りに、君の理性は呆気なく崩壊する。

「あああああ」

君は快感のあまり膝を震わせ、ついに立っていられなくなって腰が砕け、がくっとくずおれてしまった。
そんな体勢になっても、女王様はバックから犯し続ける。
君は突っ伏しながらもディルドで繋がったままの尻だけは高く掲げている。
女王様はもう乳首やペニスは弄らず、君の尻を両手で抱えて盛んに腰を叩きつけていく。

「あんあんあんあん」
君は喘ぎ続ける。
窓の外では、世界で最も淋しい夜半の雪が、音もなく寡黙に降り続けている。

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カテゴリー:金の鎖、銀の鞭
  1. 2012/09/2511:05

    女王様にお尻(けつまんこ)を犯してもらうのがとても好きです。プレイ中には今までの人生で出したことの無いような1オクターブも2オクターブも高い声が自分の口から出てきます。自分が男として犯されているのか、女として犯されているのかあるいはそれ以外の生き物として犯されているのか判りません。女王様がピストンしてくださる時もありますが、むしろ自分の方からケツを振ってぺ二バンやヂルドを出し入れしてしまい、女王様に呆れられてしまいます。ストーリー中の「あんあん」という声は女王様のピストンでアナルを突かれる拍子に併せて出ているのですね。
    私は、フィストもされるのが好きですので、是非アナルフィストやアナル拡張のストーリーを読ませてください。

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