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イヌビト

君は全裸で床に正座している。
目の前にはボンデージに身を包んだ女王様が立っていて、君を冷ややかな目で見下ろしている。
君は怯えきった目で女王様を見上げているが、ペニスは既にギンギンに勃起していた。
女王様がいきなり君の頬をビンタした。
そしてその顔に勢いよくペッと唾を吐いた。
君は背筋を伸ばして「ありがとうございます!」と礼を述べる。

女王様の手には首輪があり、それを君の首に装着する。
そしてリードを持ち、ぐいっと引っ張る。
君は四つん這いの体勢になり、いつでも動ける状態で待機する。
やがて女王様がリードを持って歩き出した。
君は掌と膝で体を支えながら、女王様に従って四つん這いのまま進んでいく。
まさに犬の散歩だ。
そしてそれは君にとって至福の時間以外の何物でもなかったーー。

君は、ヒトでありながら、イヌでもある。
どちらに比重が置かれているとか、割合の問題ではない。
君は、イヌでありながら、ヒトでもある。
そういう言い方もできる。

人ときどき犬、犬ときどき人。
こんな言い方も、あんがいシックリくる。
犬ではなく豚なのではないか、という疑問もある。
豚と呼ばれてもさほどの違和感はない。
というより、豚なら豚で、それもアリだろう。
しかし、それでも、君の属性は「犬」なのだ。
要するに、豚は家畜だが犬はペットであり、もちろん君なんかは家畜でも全く問題ないのだが、君の中には「犬でいたい」という願望が強い。
だから、時には「豚」として扱われても、君には何の問題もないし、すんなりと受け入れることができる。
つまりは、ただ単に、基本的なマゾとしての属性の軸足が「犬」に置かれている、というだけの話だった。

もちろん、君は一応人間だ。
戸籍だって名前だってあるし、見た目もヒト以外の何ものでもない。
しかし、精神性が、犬なのだ。
それもただの犬ではない。
破廉恥で恥知らずなマゾ犬だ。
君は生意気にも普段はごく一般的なヒトとしての生活を送っているのだが、その内面は限りなく畜生に近い。
故に、マゾ犬と呼ばれようが、マゾ豚と呼ばれようが、そのあたりについては、実は君にとってはどうでもいいことでもあった。
自分的には「犬」だが、たとえば女王様が「豚」だと認定すれば、君は「マゾ豚」になる。

それでも、君はマゾとして何より首輪を付けてリードで引かれることを好むから、資質としてはやはり「犬」だろう。
もっとも、「豚」でもペット用の「ミニブタ」であれば犬のように首輪やリードが付けられるし、それならそれでも何の問題もなさそうだが、属性としてはやはり「犬」に分類される性質かと思われた。
とはいっても、何もペットとしてかわいがられたいわけではなかった。
むしろ扱いとしては家畜である「豚」でも何も問題はない。
ただ、君は犬のように首輪を付け、飼い主で支配者である女性の足許で四つん這いになって、リードで引かれたいのだ。
だから、「豚」ではなく「犬」でありたいと思う。
先程述べたようにペット用の「ミニブタ」でも構わないのだが、豚なら豚として、どうせなら家畜並みに扱われたいから、君は「犬」であることを切望する。

しかし考えてみると、「犬」と「豚」の間に、明確な境界線はない。
たとえばプレイに於いて、最初は「犬」として扱われていても、ふと気づくと「豚」として調教されていることがあり、そういうパターンはそんなに珍しいことでもない。
「犬」だろうが「豚」だろうが、そのベースに流れているのは全く同質のマゾ性だから、プレイの途中で属性が変化しても問題はないのだった。
君は、気弱なくせに妙に自己顕示欲の強い卑屈な怪物を心の奥に飼っている。
怪物といっても所詮はマゾだから獰猛ではないが、羞恥心が無く貪欲で、案外図々しく浅ましいーー。

女王様が立ち止まり、君も四つん這いの体勢のまま止まる。
そんな君を見下ろし、リードを持ったまま、女王様が命じる。

「何か芸をやってごらん。そうね、チンチンしてみなさい」
「はい」

君は膝立ちになって上体を起こすと、両腕を胸の前へ上げて揃え、その手を下に向けて「ワンワン」と言った。
女王様は心底から軽蔑した目でそんな君を見下ろした。
そして、体を起こしたために剥き出しになったペニスをブーツの爪先で突いた。
更に、次に陰嚢を下から勢いよく蹴り上げた。
バスっと重い音がして、君はチンチンの格好をしたまま、その蹴りを受け止めた。
しかしその衝撃は重かった。
君は反射的に体を跳ねさせて「うぐっ」と呻きを洩らし、悶絶しながら、そのまま前方へ突っ伏して蹲った。
脂汗を額に滲ませながらたまらず両手で股間を被い、痛みが去るのをじっと待つ。
そんな君を見て、女王様はけらけらと笑った。

それから女王様は君の目の前で焦らすようにゆっくりとブーツを脱いだ。
じきにストッキングに包まれた爪先が出現し、俄に仄かな芳香が立ち昇る。
君はたまらず懇願する。

「どうかおみ足の香りを嗅がせてください!」
そう恥ずかしいげもなく口にする君のペニスは既に限界まで反り返っている。
しかし包茎のため、亀頭は殆ど露出しておらず、固い象の鼻のようだ。
女王様はその貧相なペニスを軽く蹴り、それからその爪先を上空へ持ち上げると、君の鼻先に押し付けた。
「嗅ぎなさい」
「ありがとうございます! 失礼いたします!」
君は足を両手で大事そうに掲げ持つと、その指の付け根の柔らかい部分に強く鼻を押し付けた。
そして勢い良く香気を吸い込む。
その香りは濃密で暖かく君の理性を簡単にショートさせた。
君は貪欲に匂いを嗅ぎ続け、うっとりとなりながら、足の裏全体に頬擦りする。
それは夢のような感触だった。
ストッキングを透かして爪に塗られた黒いペディキュアが艶めく。
君は女王様の足の裏で自由に自分の顔面を揺り動かし、その柔らかい感触にしばし耽溺した。

「舐めたい?」
女王様が侮蔑を滲ませた妖艶な笑みで訊き、君は躊躇せず即答する。
「はい、舐めさせていただきたいです!」
すると女王様は爪先をぐいっと君の口の中に押し込んで言った。
「口だけを使ってストッキングを脱がすことができたら自由に舐めてもいいわ」
「ありがとうございます!」
君はこたえ、両手を足から離して床につくと、まず歯を立てないように慎重に唇だけを使ってストッキングの爪先、親指と人差し指の間のたるみの部分を咥えた。
その部分はとくに蒸れているのか、口に含むと、湿り気が広がった。
君はその喜びに浸りながら、ストッキングを咥えたまま、少しずつ引っ張り始める。
手を使えば簡単だったがそれは禁じられているから、君はストッキングの先端を咥えたまま、自らの頭を後方へ引いて、ゆっくりと脱がせていった。
女王様は煙草に火を点けて悠然と、必死な君を眺めている。

やがて君はストッキングを無事に引き抜き終えた。
白く艶かしい足の指の出現に、君は生唾を飲み込み、そして遠慮なく凝視した。
女王様はその足の指をくねくねと動かし、それを君の口の前まで持ち上げると、言った。
「お舐め」
「はい! ありがとうございます!」
君は歓喜を爆発させて足を両手で持ち、その指を口一杯に頬張った。
まずペディキュアが綺麗に塗られた高級なキャンディのような親指を口に含み、舌で転がした。
じゅぼじゅぼと音を立ててまるでフェラチオのように頭を振ってしゃぶり、時折、いっぱいまで伸ばした舌を足の裏全体に這わせた。

そのようにして長い時間をかけて君は女性の足の指の一本一本を丁寧に舐め、しゃぶり、指と指の間にまで丹念に舌を伸ばした。
濃厚な芳香が君の口や鼻腔の中にこもり、君はこのうえない幸福を感じた。
この世界で最も崇高で素晴らしい女王様の蒸れた足の温かい匂いに包まれて、君は天国にいるような心地だった。
ペニスの先からはとめどなく透明な液が溢れ続けている。

「この足とセックスしたい?」
ひとしきり君が足の指を舐め終えた頃、女王様がそう訊き、君は「はい!」とこたえた。
すると女王様は膝で立っている君の股間に長い脚を滑り込ませ、向こう脛辺りで君の睾丸や陰茎を擦り上げた。
「あああ」
君は快感の声を漏らし、「も、もう我慢できないです……失礼いたします!」と絶叫すると、女王様の太腿に突っ伏して抱きつき、頬擦りし、それからその脚を自らの股間に抱え込むようにしてしがみついたまま、勃起して固くなっているペニスを女王様の向こう脛あたりに擦り付けながらせっせと激しく腰を振った。

「あらあら、まさに犬ね」
憐むように女王様が言って軽やかに嘲笑う。
君はフンフンと息を荒げながら女王様の脚に縋りつき、ペニスを擦り付け、必死に腰を振り続ける。

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