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虹を見た

美しい女性に飼われている君は、ケージの中で暮らしている。
それは広さが畳一枚分、高さが一メートルほどの、寝床代わりのもので、キャスター付きだ。
そのため、寒い時期は広い玄関の三和土の隅に置いてもらえるが、基本的には屋外で飼われている。
大きく屋根が張り出した広いポーチの端が君の生活の定位置だ。
なので一応雨風は凌げるが、まさに犬のような生活だ。
否、犬のよう、ではない。
紛れもなく、犬と変わらない生活だ。
ご飯は、一日二回、ボウルに入れられて与えられる。
水も同様だ。
よほど寒い時以外、君は常に全裸で過ごし、首輪だけを巻いている。
その首輪には鎖のリードが付いていて、壁のフックに繋がれている。
リードの長さは五メートルで、故に君の普段の行動範囲は直径十メートルのエリア内に限定されている。
ちなみに、寒い時に与えられる衣服は、長いダウンのコートだ。
それを裸の上に着て終わりだ。
シャツ類も着ないし、パンツ類も穿かない。
というか、飼われている身になってから、君は衣服というものとは全く縁がない。
ズボンだけでなく、犬並みに暮らす君には、下着も必要ない。

よく晴れた八月の午後は狂ったように暑い。
炎天下の庭に全裸で立つと、強い陽がじりじりと剥き出しの肌を焼き、たちまち全身から汗が噴き出してくる。
景色は明る過ぎて白っぽい。
夏空には、凶暴な感じすら抱かせる大きな入道雲が湧いている。

庭には既に、飼い主の女性とその友人が二人、木陰に置いた椅子に座っている。
三人とも、ビキニの水着姿だ。
飼い主の女性は黒、友人たちはそれぞれ黄色と赤だ。
木陰の椅子に脚を組んで座り、陽射しの中に立つ君を眺めている。
君と女性たちの間の距離は、三メートルほどだ。
数秒前に、パンパンと手を叩かれて飼い主から呼ばれ、ポーチのケージから庭まで、全裸の君が自分で外したリードを引きずりつつ四つん這いで登場してきた時、女性たちはけらけらと快活に嗤った。
口々に「ほんとに犬だわ」と呆れていた。
そしてその中のひとり、赤いビキニの女性が目敏く君の性器が勃起していることに気付き、「ちょっと」と苦笑した。
「あれ見て、こいつ勃起してる」
飼い主の女性が君に命じる。
「チンチンしてごらん」
「はい」
君は三人の女性の前で向き合うように膝で立つと、両腕を幽霊の真似でもするかのように揃えて上げて手を下げた。
そんな君を見て女性たちが嘲笑する。
「やだ、ギンギン」
「まさに盛りがついた犬だわ」
そんな侮蔑の言葉が浴びせられ、マゾの君は余計に昂ってしまう。
真夏の陽射しの中でそそり立つペニスは限界まで屹立し、腹に付きそうなほど反り返っている。
「なんか無駄に立派ね」
黄色いビキニの女性が脚を組んで腕組みしたまま苦笑を漏らしながら言うと、飼い主の女性は軽く笑った。
「確かに無駄よね、こいつの場合、使い道はオナニーとおしっこだけだし」
「哀れねえ」
「オナニーがそんなに好きなの?」
赤いビキニの女性が君に訊いた。
君は露骨にそんな風に訊かれて気恥ずかしさを憶えつつも、「はい……」とこたえた。
そして顔を真っ赤にしながら俯く。
「はい、だって」
女性たちは一同に爆笑した。
「おかずは何なの?」
興味を引かれたのか、女性は笑いながら訊いた。
「えっと……使用済みのパンティとかを与えていただけるので、それで……」
噴き出す額の汗を腕で拭いつつ小声で俯きながら君が答えると、女性たちは大爆笑した。
そして更に訊かれた。
「それで、頻度は?」
「毎日です……」
「すっごい、絶倫なんだねえ、さすが変態」
飼い主の女性が、言う。
「なんなら、こいつに今まで穿いていた下着を与えてみる? 帰りには新品をあげるから」
「えー」
女性はそう反応しつつも、すぐに「面白そう」と笑い、君に訊いた。
「わたしのパンツでもここでオナニーできる?」
君は、こんな美しい女性の下着なら何の問題もなくオナニーを晒すことは可能だったが、果たして飼い主の女性がどう思うのかわからなかったので、伺いを立てるようにちらりと飼い主の女性を見た。
すると女性は「遠慮しなくてもいいわよ」と君に許可を下した。
君は、赤いビキニの女性を眩しげに見上げ、言った。
「ぜひ、オナニーをさせていただきたいです」
君にとって美しい女性の汚れた使用済み下着は、この世で最も高貴な布だった。
尤もこの場合「汚れた」という表現は的確ではない。
女性が穿いた下着は決して汚くはない。
様々な分泌物が染み込んで彩られたそれは崇高に洗練されていて、むしろいっそう綺麗で美しい。

赤いビキニの女性がいったん室内に戻り、すぐに手に下着を持って戻ってきた。
そしてそれを君の足許に放った。
君は「ありがとうございます」と礼を述べ、いそいそと拾い上げた。
それはいかにも高価そうな、凝った刺繍が施されたベージュ色の小さなパンティだった。
しかしTバックではなく、クロッチの部分は適度な幅を保ってあり、広げて見ると、その厚くなった部分の布にはしっかりと沁みが付着していた。
性器の形がまるで聖骸布のように浮かび上がっている。
「すっごいガン見してる」
黄色いビキニの女性が大笑いし、君に訊いた。
「三十秒で出せる?」
「たぶん、出せます」
君は自信なさげに答えた。
しかし実際には、自信がないわけではなかった。
集中すれば、時間的にはとくに問題なく射精は可能だと思ったが、できれば折角なのでもっと時間をかけてこの下着の感触をゆっくりと楽しみたかったのだ。
だから、そんな曖昧な答え方になってしまった。
すると女性は、ちょっと、と他の二人の女性を呼んでその耳元で何か言った。
そして、すぐにふたりが含み笑いを洩らしつつも頷くと、君に向き直って唐突に提案した。
「だったら、もしも頑張って二十秒で出せたら、私たちがそのご褒美として、三人同時におまえにおしっこを掛けてあげる、飲むなり浴びるなり好きにしていいわよ、どう?」
飼い主の女性が君に言う。
「もちろん、頑張れるわよね」
「はい!」
君は眼を輝かせて大きく頷いた。
美しい女性のパンティでオナニーができたうえに、三人の女性から聖水を頂けるなんて、夢のようだった。
「じゃあ、早速」
赤いビキニの女性が腕時計を覗いて、言った。
「よーい」
君は膝で立ったまま、慌てて女性のパンティを左手でしっかりと持った。
「どーん」
女性が言い、君はまずおもむろにパンティのクロッチを鼻に宛てがった。
と同時に右手でペニスを握り、しごく。
掌を広げてパンティを強く顔面に押し付け、君は生々しい匂いを嗅ぎ、沁みを舐め、激しくペニスを擦った。
その壮絶な姿に女性たちは爆笑している。
やがて腕時計を見ていた女性が「十秒経過」と言った。
君はパンティを覆面のように頭に被り、鼻から口許に掛けて被ったクロッチ部の布を左手で強く押さえると、いっそうしごくスピードを速めた。
もう何も考えられなかった。
沁みの滑りと布に染み込んだ芳香にひたすら酔いしれる。
君は必死に自慰をし、やがて射精の衝動がせり上がってくると、「5、4」とカウントダウンが始まり、「3、2」と聞こえた次の瞬間、あああ、と声を漏らしてペニスの先端から精液を噴射した。
明るい陽射しを浴びて精液は煌めきながら飛んで芝生に落下した。
「出たー」
女性たちが手を叩いて笑った。
君は絞り取るようにペニスを更にしごいた。
粘り気のある白濁液がどくどくと溢れて君のペニスや手を汚した。
「すごい、ラスト一秒、ギリで出した」
黄色いビキニの女性が言うと。赤いビキニの女性は呆れたように笑った。
「すっごい必死だったもん、シコってる姿なんて、おぞましいの一言」
「ま、ド変態のマゾだから、お似合いといえばお似合いだったけどね」
飼い主の女性が、君に言った。
「いつまでパンツを被ってるつもり? お礼は?」
「あ、申し訳ございません」
君はパンティを取って手に持つと、改めて三人の女性の前で正座し、下着を与えていただいた赤いビキニの女性に礼を述べた。
「素敵なパンティ様をお与えいただき、ありがとうございました」
そして深々と頭を下げて地面に額をつけた。

「じゃあ、二十秒で出せたから、約束だからご褒美をあげなくっちゃね」
黄色いビキニの女性が言い、立ち上がると、君に命じた。
「そこで仰向けに寝なさい」
「はい!」
きみはひとまず使った下着を傍らに置き、仰向けに寝た。
芝生がちくちくとして背中が痛かったが、そんなことは言っていられなかった。
女性たちは、みな立ち上がり、何の恥じらいもなくビキニのショーツを取ると、並んで君を跨いだ。
一番前、つまり顔の上空に赤いビキニの女性が立ち、次に黄色いビキニの女性、そして飼い主の女性が立った。
君は赤いビキニの女性の剥き出しの股間、陰毛の茂みやその奥に鎮座する聖なる亀裂を凝視した。
少し顎を引いて頭を持ち上げ、顔を下半身方向へ向ければ、黄色いビキニの女性や飼い主の女性の股間も見えて、そんな神々しい光景に言葉を失った。

「行くわよ」
赤いビキニの女性のその声が聞こえたと同時に、顔に聖水が降り注いだ。
続いて、ふたりの女性も聖水を放ち、胸や腹やペニスにその温かい感触が伝わった。
君は大きく口を開けて聖水を飲んだ。
しかし縦横無尽に迸る聖水は君の口だけでなく顔面全体を濡らし、瞼に止まる雫のせいで君の視界はキラキラと輝いた。
強い至福のアンモニア臭が夏の庭に立ち込める。
君は恍惚の表情で三人分の聖水を体全体に浴びる。

金色に煌めく聖水が、夏の通り雨のように盛大に君に降り注ぐ。
君は若干体を起こし、赤いビキニの女性だけでなく、黄色いビキニの女性や飼い主の女性の股間の下へも手を伸ばすと、両手の掌を揃えてそれぞれの聖水を受け止め、砂漠のオアシスでようやく水にありついた旅人が歓喜しながら喉を潤すように、何度となく猛然と口に運んで飲んだ。
このうえなく君は幸福だった。
手で掬った聖水は飲むだけでなく、再び勃起を始めたペニスにも注いで擦った。
顔も洗った。
女性たちが笑いながら腰を振って聖水を自由奔放に放つ。

そしてシャワーのように降り続くその聖水の雨の中に、君は小さな虹を見た。

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