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視線の緊縛

君は今、全裸で床に膝立ちしている。
背筋をピンと伸ばし、両手を頭の後ろで組んで、静止している。
股間の性器は、ぐいっと屹立している。
完璧な勃起だが、仮性包茎のため、亀頭は先端の三分の一ほどしか露出していない。

君の目の前には、椅子に座る美しい女性がいる。
君は一糸まとわぬ全裸だが、女性は服を着ている。
その女性の手には、短い乗馬鞭がある。
右手で柄を持ち、鞭の先端を左の掌に軽く何度も当てている。
女性は赤いスーツを着ていて、そのスカートはかなり短い。
コーヒー色のストッキングに包まれた長く肉感的な脚は、綺麗に組まれている。
時々その脚を適当に組み替えると、その瞬間、スカートの奥に光沢を湛えた深い紫色の下着が覗く。
君はその一点を凝視するが、小さな三角地帯はすぐに隠れてしまう。

女性が、そんなもどかしげな様子の君を、じっと凝視する。
君は女性から、絶対に動いてはならないと命令されている。
だから、どれだけ見つめられても、体は動かさない。
女性は、まず眼を覗き込み、君が気弱な視線をおどおどと向けると、瞳から股間の性器へと下げていく。
君のペニスは、その視線を感じて、ヒクヒクと小さく躍動する。
そして先端から透明な汁が溢れ出して、亀頭の表面を伝い、余った包皮で塞き止められ、溜まる。
視線による緊縛は、ロープや麻縄のように物理的な拘束力はないが、精神的な支配力という点では全く劣らない。

「やらしいチンポね、包茎の分際で一丁前にヒクヒクさせながら汁なんか垂らして」
「申し訳ございません」

君は自らの内部で炸裂する羞恥心とマゾとしての甘美な屈辱感に腰を震わせながらこたえる。
本来ならこの時点で深く腰を折って両手を床につき、頭を下げ、床にひれ伏して謝罪すべきなのかもしれないが、君は絶対に動いてはならないと厳命されているから、膝で立ち、両手を頭の後ろで組んだままだ。
誇示するように突き出された仮性包茎のペニスが、いっそう哀れに見える。
これがしっかりと皮が剥けて逞しい亀頭が露出された猛々しい勃起なら、勇壮な光景だろう。
しかし、モノが皮被りでは、滑稽なだけだった。
そもそも君のペニスなんて、何のために付いているのか、よくわからない。
排尿と自慰、それ以外に使い道はない。
ただ「ない」のではない。
それ以外の用途は、皆無なのだ。
そんなペニスを女性は冷めた眼で見つめている。
そして時々、その視線を上げて君の瞳を覗き込む。
君は女性の視線に、両手を頭の後ろで組んだまま、腰をもぞもぞと動かしてしまう。
ペニスが脈打ち、更に透明な汁が溢れる。
それは包皮の堰を越え、床へと糸を引いて垂れる。

「おまえ」
女性が感情のない眼で君を見据える。
「絶対に動くな、と言わなかったっけ?」

「も、申し訳ございません」
君は小声で謝罪する。
しかし腰の蠢きはどうにか自分で制御できても、ペニスの小刻みな躍動まではどうにもならない。
マゾの君にとって女性の冷たい叱責は被虐性をいっそう煽られるだけだ。

「おまえ、わたしをバカにしてるでしょ」
女性はそう言うと、いきなり、乗馬鞭を一閃した。
それは君の胸板を打ち、続いて、屹立しているペニスへも振り下ろされた。
先端の固い革のヘラの部分が、君の亀頭を直撃した。
「うぎゃあああああ」
無情な一閃に、君は絶叫し、悶絶して卒倒する。
全身から冷たい汗が一気に噴出した。
君はたまらず頭の後ろで組んでいた両手を離して股間を包み込み、そのまま前へ突っ伏した。
激痛が性器を襲ったが、なぜか勃起は萎えない。
しかし流石の君でも、蹲ることを回避することは不可能だった。
頭の中では、それでも動いてはならないとわかっていたが、体が無意識に反応し、背中を丸めさせてしまった。

女性は椅子から立ち、まるで石の下にいるダンゴムシのように体を丸めている君を、容赦なく蹴った。
横っ腹を抉るように蹴り上げ、背中に執拗に鞭を振り下ろす。
君はあまりの激痛に、たまらず泣き出した。
そして、恥も外聞もなく、いい大人が涙を流しながら蹲ったまま「申し訳ございません申し訳ございません」と繰り返す。
しかし女性は一切答えない。
それどころか、髪を摑んで無理矢理君の顔を上向かせると、冷徹に鋭いビンタを連発した。
君は続けざまに左右に派手に張り飛ばされ、歯を食いしばって耐えた。
子供のように泣きじゃくり、しゃくりあげているが、女性は全く気にしていない。
大体、君の涙には、あまり説得力がない。
子供みたいに泣きながらも、君のペニスはビンタを張られる度に更に硬度を増して、どんどんそそり立っていっているのだ。
そんな分裂症のような男の涙など、誰が気に留めるだろう。
それでも、ビンタとビンタの間の僅かな隙に、君は怯えきった弱々しい眼で縋るように女性を見上げながら、「どうかお許し下さい」と哀願した。
しかし、もちろん簡単に許してなんかもらえるはずがない。
君の懇願に対する女性からの返答は、更に厳しいビンタだった。

「おまえなあ、わたしが動くなって言ったら絶対に動かないのが当たり前だろ?」
ビンタを張り、女性が問う。
「はい、その通りでございます」
君は平手で張り飛ばされながら、こたえた。
確かにその通りだから、何の矛盾もなく心からそう思った。
支配者から動くなと命じられたら動かない、当たり前のことだ。
君はもう一度なんとか体勢を立て直し、よろよろと膝で立ってどうにか背中を伸ばし、両手を頭の後ろで組んだ。
そんな君の尻に、女性は勢いよく鞭をピシッと打つ。

「ほら、チンポを前に突き出して、ちゃんと背筋伸ばせ」
「はい!」

君は命じられた通りに勃起を前方へ突き出す。
流石に君はマゾだけあって、従順だ。
そんな君を、女性は更に鞭で打った。
君の胸や背中に、赤いミミズ腫れが刻まれていく。
女性は君に向かって何度も唾を吐いた。
唾は、君の顔や体に吐きかけられ、重力に従って皮膚の上を伝い落ちていく。
唾が傷に沁みた。
その部分に、女性はいっそう強烈な鞭を叩き込んだ。
君は呻きながら、体を震わせる。
しかし鞭はやまない。
ひゅんひゅんと空気を引き裂きながら、乗馬鞭は縦横無尽に振り下ろされて、君の体にその跡を刻み付けていく。
やがて鞭は、再び勢いよくペニスに振り下ろされた。
しかも今度は一発では済まなかった。
亀頭を打った後、間髪入れずに茎の根元にも叩き込まれた。

「うぎゃああああああ」
君はまたしても盛大に悶絶し、条件反射的に股間を両手で包み込んで突っ伏す。
冷や汗と一緒に、眼からは大粒の涙が溢れた。

「だから」
女性は君の髪を摑んで引き上げてから、やはり未だ勃起が衰えていない君のペニスを右手でぎゅっと握り、ぐいっと引っ張った。
「こんなもん、おまえには全く必要のない無用の長物だろ? どうせおしっことオナニーに使うだけだろうし、いちいちうるせえんだよ、マゾ豚」
そう言うと、女性は君のペニスを握る手に力を込め、捻りながら引っぱり上げ、同時に、君の頬に左手でビンタを連続で炸裂させた。
「それとも何? このみすぼらしい皮被りのチンポに、おしっことシコシコ以外、何か使い道があるの?」
「いいえ、何もありません、その通りでございます、申し訳ございません……」
もちろん性交の可能性が皆無の君にとっては排尿こそがペニスのもっとも重要な使い道で、その機能が失われてしまったら被害は甚大で、たちまち生活に支障が出て深刻な状況に陥るのだが、そんなことをいま言えるはずがないから、君は素直に謝罪した。
しかし女性はビンタをして唾を吐きかけて君の目を冷ややかに覗き込みながら、その君の謝罪の言葉を訂正する。
「申し訳ございません、じゃなくて、鞭で打たれて、更にこの貧相で役立たずなチンポを捻り上げてもらいながらビンタしてもらってるんだから、ありがとうございます、だろ。おまえ、日本語もまともに使えないのか?」
君はそう言われて、慌てて言い直す。
「あ、はい、申し訳ございません、ありがとうございます!」
眼を閉じ、背筋をピンと伸ばして君は、精一杯の誠意を込める意味で、そう声を張り上げた。
女性は返事の代わりに、まるでドブネズミかゴキブリでも睥睨するように、唇の端を小さく歪ませながら君を無言のまま見下ろすと、更に強烈なビンタを浴びせ、ペニスを捩じ上げる。

炸裂し続けるビンタによって見る間に、君の頬が腫れ上がっていく。
視界は涙で滲み曇っている。
女性の手で力任せに捻り上げられている君のペニスは、まるで鬱血でもしているかのように、亀頭が紫色になりながら膨張し始めている。

女性は君をただ無感情な眼で見据えている。
その瞳には、慈悲も希望も宿ってはいない。

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