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パラダイス

君は、と或る企業の女子寮で、住み込みの用務員としてフルタイムで働いている。
広い地下室が君のメインの仕事場で、片隅にパーテーションで仕切られたスペースがあり、そこが居住エリアだ。
台所もトイレもシャワーもあり、生活に不自由は何もない。
要するに、地下の一室に君の生活に必要なものはほとんど揃っている。
食事は、基本的に自由だ。
仕出し弁当やピザなどのデリバリーも取れるし、外食へ行くことも、買い物に出ることもできる。
別に監禁されているわけではないから、そのあたりは自由だ。
ただ職務の性質上、仕事とプライベートの区別が曖昧になりがちなだけだ。

君は女子寮の裏方をひとりで支えている日陰の存在だ。
表に出ることは滅多にないが、というよりまずないが、べつに君に不満はない。
むしろ変態M男の君にとっては最高の仕事だった。
入居している女性たちからはほとんど人間扱いされず、透明人間かそのへんの石ころのように思われているが、それすら君にとっては悪くない状況だ。
彼女たちから存在を無視されつつも、彼女たちの汚れ物やゴミを処理している時、君はこのうえない幸福を感じる。
昔から下僕とか使用人とかそういう役目に憧れていた。
もちろん仕える相手は女性限定で、男は有り得ない。
だからこの仕事は君にとってまさに天職なのだった。
女子寮には、当たり前だが女子しかいない。
とはいえ残念ながら全員が美人というわけではなく、なかには不細工もいる。
しかし綺麗な子や可愛い子も少なくない。
だから、そういう女性たちの生活を裏側からこっそりと覗いてその一端に触れられるこの仕事は、君にとってかけがえのないものだ。
相当自由が制限される「住み込み」という勤務形態も、全く気にならない。

M男的に、入居者の女性たちから苛められるとか、そういうことは一切ない。
ただ下働きとして出しゃばらずに地味に勤めるだけだ。
そこに精神的なMとしての歓びはあるが、それ以上のことは絶対にない。

寮にいる女の子たちに存在を無視されている状態だから、君と彼女たちの生活に接点がないのは当たり前のことだ。
だからバカにされたりとか見下されたりとか、そういうことすらない。
しかし女しかいない空間内の女の子たちの生態には凄まじいものがある。
但し君にとっては、それすら嬉しいことだ。
綺麗な女子のふしだらな私生活にはドキドキする。

とはいえ君はあくまでも用務員であって管理人ではないから、寮の個室の鍵は与えられていない。
マスターキーで自由にできる立場なら楽しみは飛躍的に増加するだろうが、それは叶わない。
もしも管理室から無断で鍵を借用し、それを使って住人が外出している隙に部屋に侵入などしようものなら、たちまち解雇されるだろう。
解雇で済めばまだマシだ。
警察に突き出されても文句は言えない。
家宅侵入は紛れもない犯罪だ。
寮内には至る所にセキュリティカメラが設置されていて死角はなく、よって、住人たちが仕事に出ている平日の日中などはかなり誘惑に駆られるが、ぐっと我慢している。
この仕事は、絶対に失いたくないのだ。

君の仕事は、廊下やエントランス等の電球を替えたりといった施設の設備の維持管理の他、清掃と洗濯だ。
掃除は、廊下やロビーだけではなく、共有部分のトイレやサウナ室もする。
但し住人各自の部屋の掃除はしない。
規定により、住人の部屋に君は入れないから、各部屋にはトイレと風呂が完備されているが、そこは君のテリトリーから外れる。
それでもサウナで陰毛が詰まった排水口を掃除している時やトイレで汚れた便器を洗っている時など、君は嬉しくて仕方ない。

洗濯物は毎日廊下に袋に入れて出されるものを回収してきて、地下室で洗濯する。
その際、衣服は洗濯機を使用するが、下着やストッキングや靴下等は、別に分けておいて、手洗いする。
しかしそれは秘密の行為だ。
基本的にはすべて洗濯機で洗わなければならないのだが、汚れた下着類をそのまま洗濯機に放り込んでしまうのは勿体ない。
時には洗濯物の山の中に全裸でダイブして溺れながらオナニーに耽ることもある。
もちろんそんなことがバレたら大問題だが、用務員の特権というか、いわゆる役得だ。
汚れた下着類は当然、匂ったり被ったり舐めたりしゃぶったりしながらオナニーする。
君は地味で真面目な専属用務員だから、おそらく誰も君が地下室でひとり如何わしい変態的行為に耽っているとは思っていないだろう。
君は決してそのようなことをするタイプには見えないのだ。
一皮剥けば正真正銘のド変態なのだが、そのことを知る者はいない。

ゴミに関しては、各階のダストシュートに放り込まれたものが、すべていったん地下室に集められる。
それを君が分類し、指定日に出す。
わざわざいうまでもないことだが、このゴミというのも、君にとっては宝の山だ。
捨てられたストッキングや下着は、君のものになる。
使用済みのタンポンやナプキンやおりものシートや脇汗パッド等、魅力的なアイテム群も、そのままゴミとして出されることはなく、君のコレクションに加わる。

君は地下室に集められた洗濯物の山の中から、汚れた下着類だけを選別してひとつのバスケットに入れた。
スーパーのプラスティック製の籠ほどの籐のバスケットの中に、色とりどりの下着が詰められていく。
バスケットからは、既にそこはかとなく獣じみた生々しい匂いが漂い出している。
君はいったんその匂いを胸一杯に吸い込んでからバスケットを床に置いた。
そして着ていた衣服を全部脱ぎ捨てて裸になり、まずは下着が詰まったバスケットの中に頭から突っ伏した。
両手でわさわさと下着をかき込みつつ、ぐいぐいと顔面を沈めていき、思いっきり鼻孔を広げて深呼吸する。
そうしながら手当たり次第クロッチの滑り等をしゃぶり、舐めとっていく。
君は壮絶な芳香に包まれながら、柔らかい布の質感に溺れる。
そしてバスケットの中に頭を突っ込んだまま、君は激しく性器をしごき始める。
君の淫らで荒い息が昼間の地下室に低く響く。
一片の躊躇もなくおぞましい姿を晒す君は潔く神々しい。

君にとって、この地下室は、パラダイスだ。

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カテゴリー:金の鎖、銀の鞭
  1. 匿名
    2014/10/08 01:50

    最高でした!細かいところがリアルなのが素晴らしいですね。こんな職場で仕事してみたいものです。

    • nk
      2014/10/11 19:28

      感想、どうも。楽しんでもらえたみたいで良かったです。

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