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真夜中のプレイヤー

君は、セックスより先にSMプレイを経験してしまったほどの、真性のマゾだ。
キスすらしたことがなかったのに、君は女王様の足の指をしゃぶり、顔面に唾を吐かれた。
おっぱいすら吸ったことがなかったのに、君は顔面騎乗されながら生まれて初めて見た本物のまんこを舐め、尿を飲み、そのまま女王様の尻に押し潰されながら自慰をして射精した。

君は未だに素人童貞だが、ファッションヘルスやイメクラやソープへ行くより先に、SMクラブのドアを開けた。
そして、生まれて初めて見て舐めた本物のマンコはSMクラブの女王様のもので、生まれて初めて女性の体にまともに触れた同じその時に、君はお尻の穴も舐めまくった。
しかも、その時にはおっぱいを見てもいないし、触ってもいないし、吸ってもいない。
キスなんて、とんでもない。
そういう人間が、この世にどれくらいいるか、君は知らない。
女性の体やセックスに興味がなかったわけではない。
むしろ興味ならありすぎるほどあった。
しかし君にとって女性は途轍もなく遠い存在で全く縁がなく、ろくに触れ合う機会がないままに大人になってしまったのだ。
学校では確かにクラスメイトや先輩や後輩に女の子がいたし、社会に出てからも女子社員等はいたが、日常の挨拶を交わすくらいが精々で、それ以上に関係が深まることはなかった。
そうしているうちに、たとえば女性の下半身に対してであっても、本物を見たこともないマンコも魅惑的だったが、それよりも君はお尻の穴のほうに執着してしまうようになり、だんだんどこか歪んでいった。
やがて、蒸れた足、その指、腋の下、唾液、汗、おしっこ等、フェチ的に女性の体の各パーツや体液に惹かれていった。
そんな君だったから、それでも女性と触れ合おうとすれば、通常は必然的に選択肢は風俗のみとなるのだが、君はセックスするより先にマゾに目覚めてしまったため、生まれて初めての風俗体験がSMクラブになった。
そして、君はそれから頻繁にクラブで調教を受けるようになり、おまんこやお尻の穴や足の指や太腿は舐めたが、童貞を捨てるために一念発起してソープへ行くまでの間、女性の体といえば女王様の体に少しは触れることができたものの、キスをしたことや、おっぱいを揉んだり吸ったりしたことは、一切なかった。
唾液ひとつとってみても、男女のノーマルな性交では、キスをして舌を絡めながら交換するが、君の場合は一方的に女王様から吐きかけられたり飲まされたりするだけだったし、君が触ることを許されている女王様の体は下半身に限定されていて、腰より上の部位はソープへ行くまで指先で軽く触れたことさえなかった。
ボンデージに包まれながらボリューム満点のバストも、君にとってはただ見るだけのもので、絶対に触れられなかったし、その下の乳首はちらりと覗くことさえできなかった。
マンコや尻の穴は、触ることは許されなかったが、見たり舐めたりはできた。
しかしおっぱいは、触るなんて論外で、乳首は見ることも舐めることも不可能だった。
その辺り、どこかが、何かが、致命的に違っている気がした。
間違っているのではなく、違っている、そんな気がした。
とはいえ変態マゾの君にとっては、仕方のないことだった。
豊満で柔らかそうなバストがすぐ目の前にあるのに触ることも舐めることもできないという状態は、確かに苦行ではあったが、認められていないのであればそれを受け入れるしかなかった。

物事には順序というものがある。
たとえば異性との性交渉でも、一般的には、恋人ができ、キス、ペッティング、そしてセックス、と段階を踏んでいく。
また、風俗を利用するにしても、最初はヘルスやイメクラ、次にソープ、と、徐々によりディープなサービスに移行していくものだろう。
しかし君は違う。
彼女なんかできなかったし、できるはずもなかったから、その辺りの一般的な恋人関係は論外としても、最初の風俗がSMクラブで、次がオナクラ、それから漸く勇気を振り絞ってソープへ行って童貞を捨て、ヘルスやイメクラへもたまに行くようになった。

君にとって女性の体とは、お金を払うことでなんとか触ったり舐めたり、場合によっては挿入までできる存在だ。
金銭が介在しない女性との体験なんて、君には考えられない。
SMプレイだって、代金を支払って調教を受けるのだ。
鞭を打ったれることでさえ、有料だ。
従って、君が肌を合わせることができる女性たちは、女王様を含めて、ひとりも例外もなく、源氏名の女性だ。
今までに、本名を知っている女性と裸で触れ合ったことはない。
考えてみると、君の性的体験は、SMに限らず、すべて「プレイ」だった。
この先、状況はどう変化していくかわからない。
もしかしたら、いつか君の前に「恋人」と呼べる女性が現れるかもしれない。
しかし、今はまだその予兆すらない。
明けない夜はないとよく言われるが、今の君はまだ夜明け前ですらなく、真夜中にいる。
いい加減、東の空の彼方に黎明の蒼い光が微かに滲んできてもいい頃合いだが、周囲は漆黒の闇に包まれていて、その気配は全くない。
そもそも君の場合、夜が明けることを望んでいるかどうかすら怪しい。
自らの意志で真夜中に留まっているようにも感じられる。
もっとも、とはいえ君が望もうが望むまいが、当分夜は続いていくだろう。

どこへ続いているのかわからないレールの上に、果たして終着駅があるのかどうかはわからない。
そもそも、どこかに辿り着くことなどできるのか。
何ひとつ未来は確約されないまま、君の夜は続いていく。

君は、真夜中のプレイヤーだ。

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カテゴリー:金の鎖、銀の鞭
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