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甘き思い出の夢

君には、鮮烈な想い出がある。
それは高校三年のときのことで、その後の君の性質のベースを形成したといっても過言ではない出来事だ。
当時の君は、真面目で地味な生徒だった。
運動も得意ではなく、かといって勉強ができるわけでもなかった。
色男か醜男かといえば間違いなく後者で、当然異性とは全く縁がなく、完全無欠の童貞だった。
キスの経験もなく、そもそもデートすらしたことがなく、告白したこともされたこともなかった。
要するに、華のない、色のない、どんよりとした青春時代だった。

そんな灰色じみた高校生活も三年目を迎えた頃、君は一年の派手な女子に惹かれた。
しかし、当時から既に童貞をこじらせてフェチに傾倒していた君は、当たり前だが告白する勇気もないまま、密かに憧れる気持を抱きつつ、悶々としていた。
かといって、その一年の女子とセックスをしたい、と願ったわけではなかった。
否、心のどこかではそう願う気持はあっただろうが、それよりフェチ的欲求の方が強く、彼女が身につけている下着や靴下に思いを馳せ、足の匂いに恋い焦がれた。
君はほぼ毎日、日によっては一日のうちに何度も彼女をオカズにして自慰に耽ったが、その際の妄想は汚れたパンティや蒸れて湿った靴下の匂いを嗅ぐことや、足や腋を舐めることだったりした。
あと、勿論、まんこやお尻の穴にも強烈に固執した。
股間に貼りつき、何時間でも舐めていたいと激しく切望した。

できることなら、ロッカー室に侵入して汗塗れの体操服を手に入れたいとも思っていた。
しかしそんなことができるはずがなかった。
元来気弱な君が、見つかったらただでは済まないであろうとわかりきっているのに、そんな大胆な行動に出られるわけがなかった。
ロッカー室が無理なら、下駄箱でもいい、と思った。
人気のない時間帯を狙って昇降口へ行き、彼女の下駄箱から靴を取り出して、その匂いを嗅ぐ。
なんとなく、ロッカー室よりは下駄箱の方がハードルが低そうで、簡単そうに思えた。
とはいえ、現実には、やはり無理だった。
いつどこで誰に見られるかわかったものではないし、もしも下駄箱を漁っているところを誰かに見咎められたら、変態の烙印を捺され、学生生活は瓦解してしまう。
そんなことを妄想しているうちに、次第に君は、トイレに対する思いを募らせていった。
いつしか君は、彼女のトイレシーンを覗きたい、と狂おしいほどに思うようになっていた。
贅沢は言わないから、大でも小でも、どちらでもいいから、彼女の排泄姿を見たかった。
そして、その姿を間近で見ながら自慰をし、更にできることなら、尊い彼女の体から生み出される物質を手に入れたい、と思った。
食べたり飲んだりしたい。
君は歪んだ妄想の中で、そう激しく思った。
とはいえ、女子トイレなんて、ロッカー室や下駄箱より、遥かに侵入の難易度が高い。
だから、それは夢のまた夢だった。

しかし、或る日、奇蹟のような時間が君に訪れた。
たまたま偶然、彼女がひとりでトイレへ入っていく場面に、遭遇したのだ。
幸い、周囲にも、誰もいなかった。
君はそのことを素早く確認すると、躊躇することなく、彼女に続いて女子トイレに体を滑り込ませた。
千載一遇のチャンスだ、と君は思った。
この状況を誰かに見つかれば一瞬にして変質者として認定され、とんでもないことになるだろうとは思ったが、そんな理性は破廉恥な欲情の前に呆気なく敗北していた。

トイレに入ると、個室が五つあり、一番奥のドアだけが閉まっていた。
君は足音を忍ばせて進み、奥から二番目、つまり閉じているドアの手前、すぐ隣の個室に入った。
胸がドキドキしていて、心臓が口から飛び出しそうなくらい緊張していた。
ドアをそっと閉め、息を殺して便器の蓋の上に座り、耳を澄ました。
すると、隣から、薄い壁越しに衣擦れの音が聞こえ、続いて放尿音が響いてきた。
馨しいアンモニア臭が仄かに漂い陶然となる。

(嗚呼! 憧れの女の子が今、薄い壁を隔てたすぐ隣でお尻を丸出しにして、おしっこをしている!)

そう思うと、ペニスが限界まで屹立した。
もう我慢できなかった。
個室を仕切る壁は、上と下が開いているので、君はいてもたってもいられなくなり、おもむろに床に這いつくばった。
そして下の僅かな隙間から隣の個室を覗いた。
しかし見えたのは、洋式便器に座る彼女の足許だけだった。
君は必死に見上げようとしたが、視界は限られたままだった。
唯一の収穫は、足許に引き下ろされた薄いピンクのパンティを見ることができたことだった。
勿論、それだけでも君は歓喜した。

それでも、やはりそれだけではもう満足できず、君は立ち上がると、便器の上に立ち、今度は上の隙間から隣の個室を覗くことにした。
上からなら、股間等は無理だろうが、個室の全景を捉えることができるだろうと思ったのだ。
その頃にはもう放尿音が止んでいたから、時間との勝負になっていた。
急がなければ、彼女は身支度を整えて個室から出てしまう。
上から覗くことは、密かにしたから覗くより、かなりリスクが高い。
しかしもう君に冷静な判断は無理だった。

君は便器の上に立つと、不安定な体を支えるように仕切りの壁の上辺に手をつき、その手にぐいっと力を込めて体を若干持ち上げ、爪先立ちになり、隣の個室を覗き込んだ。
そしてちょうどそうやって覗き込んだ時、物音が気になったのか、便器から立って下着を穿いた彼女が、ふっと上を見た。
眼が合った。
君は激しく混乱し、壁の上辺を両手で掴んだままフリーズした。
彼女は、そんな君を見上げ、見る間に怒りを表情全体に広げて、声を上げた。

「何やってんだ、てめえ」
「すいません!」
君は咄嗟に謝って眼を閉じ、便器から飛び降りた。
次の瞬間、個室のドアを蹴られた。
素早く出た彼女が、君の逃走路を断ったのだった。
「開けろ、こら」
「すいません!」
君はドアのノブを掴んでドアが開かないようにしながら謝った。
そのドアを、彼女はガチャガチャと引っ張った。
君は、こんなところに閉じこもっていても、もう退路はないとわかっていたが、どうすることもできなかった。
ただドアを押さえ、心の底からビクビクしながら、「すいませんすいません」と謝罪の言葉を繰り返した。
「うっせえ、すいませんじゃなくて、とっととここを開けろ、開けないと大声出して人呼ぶぞ」
その「人呼ぶぞ」という言葉に君の恐怖心は絶頂に達してしまった。
もう観念するしかなかった。
ここにいつまでいたって逃げることはできない。
ドアはガチャガチャと鳴り続けていて、女の子は「開けろ、おら」と蹴り続けている。
君は意を決すると、「は、はい、今開けます」と言い、ロックを解除した。

ドアが開いた瞬間、女の子が突進してきて、君は胸倉を掴まれ、そのまま個室の外へと引きずり出された。
「ざけんなよ、糞変態野郎」
女の子はそう言うと、君を蹴り、踏んだ。
君は冷たいタイルの床に這いつくばり、その猛攻撃に耐え続けた。
背中をどんと強く踏まれて君はひしゃげ、反射的に体を丸めた。
そんな君を、彼女は情け容赦なく蹴り続け、唾を吐いた。
拳骨のパンチも降り注いだ。
君は頭を庇うように体を丸めながら、「すいませんすいませんすいません」と謝り続けた。
しかし許しては貰えず、髪を掴まれると、そのまま引き起こされた。

「土下座しろ、土下座」
「はい!」
君は正座し、両手をついて、額を床につけた。
「申し訳ありませんでした」
「あのなあ」
女の子はそんな君の顎に手をかけて上を向かせると、いきなり強烈なビンタを張った。
「何でも謝って済むなら警察は要らねえんだよ」
そして、続けざまに往復ビンタを浴びせた後、唐突に命じた。

「全部脱げ!」
「えっ?」
予想外の命令に君は戸惑い、彼女を見た。
「いいから脱げよ」
「はい」
君はいそいそと制服を脱いで、パンツ一枚になった。
「それも脱げよ」
女の子は冷ややかに言い、君は「失礼します」とトランクスを下ろした。
勃起したペニスが飛び出す。
しかし完全に皮が余っている君のそれは完璧な包茎で、彼女は嘲笑った。
「皮被りかよ」
女の子は笑いながら更に往復ビンタを張った。
「おめえ、オナニーのし過ぎで皮が伸びたんだろ」
「すいません」
君は頬がじんじんと痛むのを堪えながら俯いた。
ビンタの痛みと恥ずかしさで顔が熱かった。
しかし女の子はそんな君の気持など関係なく、髪を無造作に掴んで上に引っぱり、君が膝で立つと、勃起を上履きの先で蹴り、怯えきっている君の眼を冷徹に見据えて言った。
「どうせ毎日シコシコしてんだろ? あ?」
女の子がビンタを張る。
「は、はい……」
「じゃあ、今、ここでオナって見せろ」
「はい」
君はペニスを右手で握ると、ゆっくりとしごき始めた。
「うわ、きもっ」
女の子が眉根を顰める。
しかしマゾの君はそんな彼女の反応にいっそう昂ってしまう。
そして理性の堰は呆気なく決壊し、君はもう恥も外聞もないので、彼女に懇願した。
「おみ足の匂いを嗅がせてください! お願いします!」
すると女の子は「きめえな」と嫌悪感を丸出しにして唇を歪めつつも、踵を踏み潰して穿いていた上履きを蹴るように脱ぎ、ソックスの爪先の裏を君の鼻に押し付けた。
柔らかい感触に圧されつつ、温かく芳醇な香りに包まれて、君はうっとりとなりながら、激しくペニスをしごいた。
もう止まらなかった。
君は左手で彼女の足の踵を持って強く鼻を爪先に押し付けつつ、右手でシコり続けた。
そして、そのままの体勢でやがて大量に精液を噴出させた。

──という夢を、高校生の君は毎日脳裡に思い描いて自慰に励んでいた。

結局、その一年の彼女とは何の接点も持てないまま、一言の言葉も交わすことなく、というより至近距離で擦れ違うことすらなく、君は卒業した。
以来、一度も彼女の姿を見たことはない。

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