Session #5

君は、ガラス張りのバスルームの中でひとり、シャワーを使っている。湯気でガラスは曇っている。その向こうのプレイルームは、先程よりも暗くなった。女王様がボンテージに着替えている様子が、シルエットとなって見える。片足をベッドに上げ、長いブーツを履いているところだ。

シャワーを出しっ放しにしたまま、君はボディソープを股間に塗りたくりながら思う。結局、また来てしまった……。

この頃の君は、なんとかマゾであることをやめよう、と苦心していた。そして実際、クラブへ頻繁に通うことはやめた。いつもなら最低月に一回はクラブを利用していたが、それを一切やめた。

しかし君の忍耐力は、三ヶ月が経ってもう限界だった。女性に責められて感じるなんて、マトモではない……そう考えてSMを断ったものの、実際には葛藤の日々だった。縛られて、鞭を打たれて射精に至るなんて人の道から外れているし、そもそも精液というものは、子孫を後世に残すために存在するものだ。それが、どうだろう。君の精液は、人類としてのその使命を放棄している。本来、尊い生命の源であるべき精子は、君にとって、単なる快楽の代償だ。受虐の悦びと引き換えに、君は精子を差し出す。それは、空虚に宙を舞い、床に落下してその使命を終えている。君は時々、そのことについて虚しく思う。だから、もう歪んだ性の快楽からは遠ざかろうとするのだが、これがなかなか難しい。それでも、この三ヶ月、努力はした。夜のオカズを普通のAVにしたり、女友達とカラオケなどに行ったりして、当たり前の恋愛をしようと試みた。しかし、どうしても駄目だった。街で普通のカップルの姿を見かければ「いつか自分も、ごく普通の恋愛をするぞ」と思うのだが、一人暮らしのアパートの自室に戻ると、たちまちその誓いは打ち砕かれる。否、打ち砕かれるのではなく、自ら打ち砕いてしまうのだ。外では「もうSMはやめよう」と思ったくせに、ふと気が付けば、またしてもマゾ・ビデオやグラビアで自慰をしてしまっているのだ。

今回も、約三ヶ月間、クラブから離れた。しかし、その我慢も、もう限界だった。だから君は、今日の昼休み、とうとう誘惑に負けてクラブに予約の電話を入れてしまった。

本当に俺はどうしようもないな……そう思いながら君は、ボティソープの泡をシャワーで流していく。

帰宅する人で混みあっている地下鉄を降り、クラブ至近の駅の改札を抜けたのは午後八時三十九分だった。時計を見たからよく覚えている。今日は、七時まで残業をし、その後、会社の近くの食堂で牡蠣フライ定食を食べた。そして、その店のトイレで、丁寧に歯を磨き、勇躍、SMクラブへ向かうために地下鉄に乗り込んだ。

地上に出ると、もうすっかり宵の口だった。幹線道路を、ヘッドライトを灯した車の群れが流れていて、その光に照らされる度、君は誰かが、これからSMクラブという異常な性癖を満たすための店へ行く自分を晒し者にしているかのような錯覚に陥った。

クラブの予約の時間は九時で、女王様は既に指名済だった。君は電話での予約時に、風俗情報の専門誌に顔出しをしているリカ女王様を指名した。そのリカ女王様は今、曇るガラスの向こうで着替えを終えて、椅子に座っている。とても美しい女性だ。背がすらりと高く、プロポーションが素晴らしい。

君はシャワーを止め、バスルームから出た。プレイルームは既にかなり暗い。その薄暗い闇の先に、女王様がいる。君はその彼女の視線をひしひしと感じながら、足元の籠の中から大きなバスタオルを取って、体の水滴を拭う。プレイへの期待で、股間の性器はもういきり立っている。君は手早く体を拭くと、そのタオルを再び籠の中に入れ、勃起しているペニスを両手で隠しながらオズオズと女王様の前に進み出る。フローリングの床から裸足の裏に冷たい感触が伝わる。壁の鏡に、少し前屈みになりながら、股間を両手で被って歩く自分の姿が映っている。

女王様は悠然と脚を組み、そんな君をじっと見据えている。その目には、感情がない。まるで虫でも見るかのような冷徹な瞳だ。君は、その視線に昂ってしまう。自分はもう人間ではない。単なるマゾ豚だ。奴隷だ。女王様とは、存在のステージが違う。

君は女王様の前まで来ると、股間の手を退けて、床に正坐した。そして両手を前につき、平伏する。額をきっちりと床のフローリングに付ける。腋はきっちりと締め、体全体を小さく丸めて、全身で恭順の姿勢を示す。

「リカ女王様、ご調教をよろしくお願いいたします」

君は久々のプレイで緊張が隠せず、小声で、しかもその声を震わせながらご挨拶をする。すると、女王様のブーツの底が後頭部に置かれ、力が込められた。君は踏み潰されるように、額を強く床に押し付けられる。

「声が小さいわよ。もう一回」

強く踏みつけたまま、女王様が言う。君は「はい!」と答え、もう一度、今度は大きな声で復唱する。

「リカ女王様、ご調教をよろしくお願いいたします!」

夢にまで見た瞬間の到来だ。君は美しい女性に跪き、至福の時に身を委ねる。女王様は、ブーツを君の頭から下ろすと、「顔を上げなさい」と命じた。

「はい」

君は命令どおりに顔を上げる。女王様の美しい顔が、すぐ目の前にある。赤い唇が濡れている。君の性器は、限界まで硬化している。

「何もしないうちからこんなになっちゃって……」

女王様が足を伸ばし、ブーツで君の性器を踏む。そして、まるで煙草の吸殻でも踏み消すように、その足に力を込める。

「あーん」

君は恥も外聞もなくたまらず身悶え、腰を浮かせてしまう。女王様はブーツの爪先で君のペニスを辿り、踏み、そして股間に差し入れると、玉袋を持ち上げる。それにつられてさらに君が腰を浮かすと、そのまま下から甲で軽く蹴る。

「チンポ蹴られて嬉しいの? おまえ」

女王様が残忍な笑みを浮かべながら君の顔を覗きこむ。

「は、はい……」

君は顔を真っ赤にさせながらそう答える。

「変態だねー」

女王様はあからさまに軽蔑して笑うと、椅子から立ち、「両手を後ろに回して立ちなさい」と君に命じた。君は立ち上がり、手を後方へ回した。

「変態らしくしてあげるからね」

女王様は楽しそうに笑う。その手には、長いロープが握られている。君は息を飲んで、それが体に施されるのを待つ。

女王様と向かい合って立つと、その顔は、君の上にある。踵の高いブーツを履いているため、身長は優に170センチを越えている。君は見下ろされながら、体を拘束されていく。女王様は手際よく、慣れた手つきでロープを操り、まずは両手を背中で縛った。そして君の体に菱形を描いていく。予めどのように縛られるのかは聞いていないので、君はされるがまま、ただロープと女王様の動きをじっと見守っている。女王様は君を縛りながら、時々わざと胸の膨らみを君に押し付け、長い髪を君の顔に靡かせた。

ロープは、破廉恥な君の性器にも巻かれた。玉袋が絞り上げられる。ペニスの根元にきっちりとロープが食い込む。そのすさまじく屈辱的で恥ずべき状態は、全て壁の鏡に映っている。

やがて股間までの拘束が完成すると、女王様は、おもむろに天井から垂れ下がっている鎖を手繰った。重々しい音が、大きくルーム内に反響する。

「これから変態のおまえを吊るしてあげるからね。豚にはお似合いよ」

女王様は笑いながら言い、鎖の先のフックがある程度まで下りてくると、手繰ることを中断し、後ろ手に回した手首とフックをロープで繋いだ。卑猥な股間の勃起が丸見えだ。女王様は「いやらしい格好……まさにマゾ豚が吊られてるって感じ」と笑いながら、再び鎖を手繰る。少しずつ君の体が情報へ引っ張り上げられていく。やがて女王様は、君がどうにか爪先立ちで姿勢を保っていられるくらいの位置で止めた。

「ほら、鏡で見てごらん。変態マゾ豚のおまえにお似合いの格好だと思わない?」

女王様が君の体を小突き、鏡のほうを向かせる。君は不自由な体勢のまま頷く。

「はい……」

爪先で立っているといえば聞こえがいいが、実際には後ろに回した手首で吊られているので、なんとか立っていられるだけだ。自分の意思は、どこにも反映されていない。完全に自由を奪われている。しかも、なんという格好だろう。破廉恥にもほどがある。君は鏡に映っている自分と対峙しながら、羞恥心で顔を真っ赤にさせた。これが果たして、大の大人の男が異性の前で見せる姿だろうか。とてもまともな精神状態の人間がしていることとは思えなかった。がっちりと縛られ、吊られ、恥ずかしげもなく勃起したペニスを晒しているなんて……しかも、目の前には、自分よりも年下の美しい女性がいる! そしてその女性は遠慮のない嘲笑を自分に向けている!

まさにマゾ豚だ、と君は思った。しかし、これこそが本当の自分なのだ、とも思った。もしもこの姿を、親や友達や会社の同僚が見たら、どう思うだろう。いつもはごく普通に接している同じ課のOLたちが、今のこの自分の姿を見たら、どんな反応を見せるだろう。きっと、こんな姿を見られたら最後、以後は何を言ったところで完全に説得力を失うだろう。たとえば「これをコピーしてくれ」と普通に頼んだとしても、「何偉そうに言ってるの? 変態のくせに」と鼻で笑われて終わりに違いない。

そんなことを考えていると、君の内側に、さらに激しくマゾヒストとしての炎が燃え上がった。もう今の自分は正常な人間ではない。人間以下の存在、つまり奴隷、そして豚だ。君は、鏡の中の自分を見遣りながらそう思う。

女王様がコツコツと硬い靴音を響かせながら君に近づいてくる。その手には、長い鞭が握られている。そして君のすぐ前に立ち、顎に手を掛ける。美しい顔が目前に迫って、君は思わず息を飲む。

「変態な顔になってきたわね」

女王様はそう言い、口の中に溜めた唾をペッと君の顔に吐いた。暖かい感触が顔面に飛散する。そしてその質感は、ゆっくりと頬を滑り落ちていく。

「ありがとうございます」

君は必死に言う。体の自由が利かないので、頭を下げる事は出来ない。それでも、誠意は示さなければならない。なぜなら君はマゾ豚という最下級の存在だからだ。しかし、女王様は満足しない。どうしてかというと、やはり君の声が小さいからだ。

「もっと大きな声で言いなさい」

「申し訳ございません!」

いくらプレイのための密室にいるとはいえ、どうしても羞恥心が勝ってしまい、自然に小声になってしまう。だから常に意識していないと、声が小さめになってしまう。君はそのことを反省しながら、もう一度「ありがとうございます!」と丁寧に、大声で礼を述べた。

「ったく、何度言ったら学習するのかしらね、この変態マゾ豚は」

女王様はそう言い終わるやいなや、ブーツの甲で剥きだしになっている君の股間を蹴った。その爪先は、君の玉袋の裏側にヒットし、反射的に君は飛び上がってしまう。しかし、鎖によって吊られているので、自由に体を弾ませる事は不可能だ。そのため、ずいぶんと不恰好な動きとなる。

「ほら、もっと飛んでみなさいよ」

女王様が続けざまに君の股間を蹴る。その度に、君は不恰好な姿を晒して体を弾ませる。やがて、その蹴りは、鞭に変わった。女王様は君から少し離れて距離をとり、大きく鞭をしならせて君の体を打ちすえた。鞭の先端が、まるで飛行性を持つ軟体生物のように自由自在に躍動し、君の肌を打ち据えていく。たちまち胸元や背中が赤く染まっていく。君は「アンアン」と女のように喘ぎながら、派手に体を揺らす。そして、君が体を揺らす度に、鎖がジャラジャラと鳴った。

このクラブのプレイルームは、その特殊な用途のため、かなりの防音性が保たれており、人の話し声などが外へ漏れることはないのだが、鎖の音だけはさすがに上下の階へ響いてしまう。実際、他のプレイルームで鎖が使われている音を、君も聞いたことがある。だからきっと、今、上と下の階にいる人には、このルームの人間が鎖を使った調教を受けているとわかってしまっているはずだ。それを思うと、君は恥ずかしくてたまらなかった。少なくとも、この下の二階のルームには、自分より五分先にM客が入っている。待合室で一緒だったから、その男の顔を覚えている。彼が現在、どのような調教を受けているのかは知らないが、今頃は、上の階で響いているこの鎖の音を聞いていることだろう。

君はロープで拘束され、吊るされ、鞭を打たれることが好きだ。普通の人には信じられないかもしれないが、そのようにまるで家畜のように扱われると、ストレスの発散になるのだ。高度な文明社会である現代という時代において、一般的な男が吊るされて鞭を打たれるなんてことは、通常ありえない。リンカーンの時代のアメリカ南部ならともかく、奴隷という制度は既にないし、中世ヨーロッパの魔女裁判のようなものも存在しない。キリストやジャンヌダルクは磔になって死んだが、平成の日本で、そのようなことは考えられない。

しかし君は今、暗い密室で吊られ、美しい女性に鞭を打たれている。ああ、なんという素晴らしき倒錯感だろう! 君は昂り、激しくペニスを勃起させる。

女王様の鞭は容赦がない。鋭い痛みが、上半身を中心に走っている。当分人前で裸になる予定もないので、プレイ前の簡単なカウンセリングのときに君は「多少の跡が残っても構いません」と女王様に伝達済みだった。だから、女王様は全く遠慮なく鞭を振るっている。君は鞭を受ける度に体を捩りながら、喘ぎ続けている。女王様の嬌声が、密室に響く。君の体はもう傷だらけだ。赤い線が、複雑に交差しながら君の肌を彩っている。もしもそれを後日人に見られれば、「いったい何の跡だ?」と思われるだろう。ただ単に思われるだけではなく、おそらく訝しがられるに違いない。しかし、君はそれでもよかった。どうせ裸を見られることはないし、もしも見られることになっても、そんないつ訪れるか定かではない未来のために、現在の快楽を放棄することなどできない。いや、できないというより、そんな勿体無いことはしたくない。こうして責められる為に、決して安くはないプレイ代を支払っているのだ。この鞭の跡は、自分の生の証だ、と君は思った。この痛みがあるから、たいして面白みのない退屈な日常をどうにか歩いていける。

君は時々、この世界からSMクラブが消えてしまったら、と想像して、絶望的な気分になる。このような特殊な性癖を理解し、その欲求を満たしてくれるパートナーなど、なかなか容易には見つからないだろうし、なんといってもクラブであれば、自分好みの女王様を選ぶことができる。それは当然、代金と引き換えだが、それでも貴重な機会だ。プライベートで運良く好みのパートナーが見つかったとしても、クラブでのプレイのように、気分で相手を選ぶという気軽さからは程遠い。君にとって、SMクラブの女王様は、とても尊い存在だ。マゾという、まるで「業」のような変態的嗜好を受けて止めてくれるのは、この広い世界でも彼女たちくらいなものだ。勿論、そのためには代金を支払わなければならないが、そんなことは些細な問題だった。君がマゾとしての本能を曝け出せるのはクラブの密室の中だけだし、その破廉恥な姿を後腐れなく安心して見せることができるのは女王様だけだ。

マゾヒストである君にとって、SMクラブ以外の風俗店がこの世界から消滅しても、さほど困らない。ごく一般的な性行為であれば、ナンパでもして素人と楽しめばいいからだ。しかし、SMプレイは、そうはいかない。M男の調教にはテクニックとセンスが必要だし、誰でも彼でも女王様を演じられるわけではない。

君はマゾプレイによって、精神を解放している。体を拘束され、虐待を受けているのだから、それは一見、解放どころか封印しているように感じられるかもしれないが、決してそうではない。君は今、ロープと鎖によって吊られ、鞭を受けながら、とても幸福だった。このような至福は、SMプレイ以外では得られない。

「あっ、そうだ。せっかくだから記念撮影でもする?」

女王様が鞭を止め、君に聞く。君は吊られたままの姿勢で息を弾ませながら女王様を見た。

「記念撮影ですか?」

「そうよ」

女王様は、部屋の隅に置いてある、設置型のポラロイドカメラの機械を指して答える。

「一枚500円だけど、撮ってみない? いい記念になるわよ」

女王様が笑いながら言う。君は、このクラブにそのようなサービスがあるとは初耳だったが、迷うことなくすぐに決断していた。

「お願いします」

「じゃあ、ちょっと待ってね。お金はとりあえず私が立て替えておくわ」

女王様は鞭を置き、ポラロイドの機械を部屋の中央にまで引っ張ってきた。そして、自分のバッグの中から財布を取り出し、500円硬貨をスロットに投入する。

「で、どんなポーズがいい?」

そう訊かれて君は、勇気を振り絞って女王様に尋ねる。

「あのう、女王様も一緒に写っていただけますか?」

「いいわよ」

「じゃあ、あのう、このまま吊られたままで、チンポを持っていただきたいんですけど」

「ははは、いいわよ」

女王様はそう笑って言うと、機械のファインダーに屈みこみ、アングルを調整した。そして、タイマーでシャッターを押し、君の傍らに立つ。

「ちゃんとカメラを見てなさいよ」

女王様は無造作に君のペニスを掴み、それをぐいっとレンズの方に向ける。そして数秒後、白いフラッシュの光が瞬いた。

「いい風に撮れてるかなあ」

女王様は君のペニスを捨て、カメラの機械へ向かった。ゆっくりと写真が出てくる。女王様はそれを持ち、表面のシートを剥がすと、君の傍に戻った。

「ほら、絵が出てきたよ」

女王様が、身動きできない君の目の前で写真を振りながら言う。君は、吸い寄せられるように、画像が浮かんでくる様子を見守った。やがて、徐々に鮮明になってきて、画像が出現する。

「うわあ、かなり変態に撮れてるよ。ほら、見てごらん」

君は、その写真を見て、たちまち興奮してしまった。全裸で縛られ、鞭の跡がくっきりと残る肌を晒しながら吊られている自分、そしてそのペニスを無造作に握っている女王様……それは、SM雑誌のグラビアより数倍も刺激的な写真だった。女王様は笑っていて、君の顔には羞恥心が滲んでいる。その対比は、ふたりの関係のスタンスの違いを明確に表現していた。

それにしても、素晴らしい写真だ。このような経験は、滅多にできることではない。今後、長期にわたって自慰のオカズとなることは確実だ、と君は思った。恥ずかしげもなく猛々しく勃起したペニスも、明確に写っている。しかも、それは美しい女王様の手の中にある。君は、調子に乗って、「もう一枚撮っていただきたいんですけど」と言ってみた。すると、女王様からは「いいわよ」という返事が返ってきた。

「しかしおまえ、恥ずかしい格好を晒すのが好きね……で、次はどんなポーズがいいの?」

「あのう、出来れば、女王様の前で跪かせていただいて、チンポを足で踏んでいただいている場面がいいんですけど」

「ははは、マジで変態だね。いいわ、じゃあ、下ろしてあげる」

女王様は笑いながら鎖を手繰って、君を床に下ろした。そして、鎖から体を解放する。君は、後ろ手のまま、その場に跪いた。女王様が、新たな500円硬貨を機械に入れた。

「えっと、アングル的に、どうすればいいかな」

そう言いながら君の傍に来て、いったん何気なくペニスを踏み、カメラを見る。

「あっ、でも、これだとたぶんチンポと足しか写らないわね……もうちょっとカメラを後ろへ下げないと駄目ね」

女王様は独り言のように言い、再び君から離れた。そしてカメラを後方へ、ルームの隅まで退き、ファインダーを覗く。

「ちょっと悪いけどさ、もうちょっと自分で後ろに下がってくれない?」

「はい」

君はペニスを勃起させたままのマヌケな姿を晒しながら膝で立ち、言われたとおりに一メートルほど後方へ移動した。

「あ、その辺でいいわ」

ファインダーを覗いていた女王様はそう言うと、タイマーを作動させてシャッターを押した。そして君の前に立ち、ブーツの底でペニスを踏みつける。網タイツに包まれた白く肉感的な太腿が目の前に迫り、君はごくりと生唾を飲み込むと同時に、女王様のブーツの下でさらにペニスを硬化させてしまう。

「ほら、腰を浮かせてカメラを見なさい」

髪を掴んで君の顔をカメラに向かせながら女王様が言う。

「はい」

そう答えて君が腰を浮かせた瞬間、フラッシュが光った。すぐに女王様が写真を取りにいく。君は腰を下ろし、その場で待った。女王様が戻ってきて、君に写真を見せる。

「今度もいい感じよ、ほら」

君は両手を背後で拘束されているので写真を手に取ることはできない。それでも、女王様が君のすぐ目の前に写真を差し出しているので、どのような写真なのかは、よくわかる。今度の写真は、アングルの関係上、女王様の胸から上が切れてしまっている。しかし、髪を掴まれてカメラの方を向かされている無様な君の様子は完璧にフレームに収められている。その君の顔の前には網タイツの太腿があり、黒革のロングブーツが、君のペニスを踏み潰している。

「いい写真が撮れたねえ」

女王様はそう言うと、写真をポラロイドの機械の上に置いた。そして戻ってくると、いきなり君を背後から蹴り飛ばした。手を使えない君は、一瞬何が起きたのかわからず、そのまま床へ前のめりに倒れこむ。

唐突にプレイが再開された。君はうつ伏せのまま膝をつき、上体を起こそうとする。しかし、両手が使えないために、なかなか思うように体を起こせない。女王様が、そんな君の後頭部を上から踏みつけた。君は、尻を掲げた中途半端な格好のままフリーズする。

「ほら、そのままでいいわよ。おまえ、アナルを犯されたいんでしょ?」

女王様が、さっきまでとは全く口調を変えて、君の頭を踏みつけたまま訊く。

「はい」

君は頬を床に押し付けるようにして、どうにか体を支えながら答える。アナル調教の希望も、プレイ前のカウンセリングで伝えてあった。

「じゃあ、このままでちょっと待ってなさい」

「はい」

いったん女王様が君から離れた。そして、君の視線がカバーしていない背後で何やら準備をし、やがて戻ってきた。君は、その女王様の姿を、不自由な体勢から仰ぎ見た。すると、女王様の手には手術用の薄いビニールの手袋が嵌められ、その手には、ローションのボトルが握られていた。そして、女王様の逞しい股間には、ペニスバンドが装着されていた。赤いそれは、まるで天狗の鼻のように屹立し、少し反り返っている。女王様が君の背後に回り、しゃがんだ。そして一発、パシッと平手を君の尻に叩き込んだ。

「ほら、もっとお尻を高く上げなさい。犯して欲しいんでしょ?」

君は即座に反応して尻を掲げ、言う。

「お願いします!」

次の瞬間、尻の穴周辺に冷たい感触が伝わった。大量のローションが垂らされたのだ。女王様の指が、君の尻の穴の周りを徘徊する。君はただその感触に酔い痴れている。そして、やがてゆっくりとその指が尻の穴に挿入された。君はさりげなく壁の鏡を見る。四つん這いになって尻を高く上げ、女王様の指をアナルに咥え込んでいる自分の姿が見える。それは、世にも情けなく、恥ずかしい格好だ。

女王様の指が尻の穴の中で蠢き、前立腺を刺激する。それに合わせるように、君のペニスの先端から透明な汁が溢れ、床へと糸を引いて滴り落ちる。女王様が、尻の穴に指を入れてかき回しながら、空いている左手で君のペニスをシゴく。

「いやらしいわね、おまえ。何、涎を垂らしているの?」

「申し訳ございません」

君はアナルの快楽に腰を蠢かしながら答える。その間に、尻の穴に挿入される女王様の指が二本、さらに三本と追加されていく。君のアナルはある程度拡張が進んでいるので、三本までは余裕で咥え込むことができる。

「おまえ、相当ココ使ってるわね……ユルユルよ、ほら」

そう言って女王様は激しく三本の指をピストンし、唐突に引き抜くと、君の前に回ってきて、髪をぐいっと掴んで正面を向かせ、上体を引き起こした。そして、君の顔の前に擬似ペニスを突き出した。その赤いペニスには、既にコンドームが被せられている。

「これをぶち込んで欲しいんでしょ? ほら、ちゃんとご奉仕しなさい」

「はい!」

君はその赤いペニスを口に含んだ。そしてゆっくりとディープスロートを開始する。女王様は、そんな君の髪を掴んだままだ。君はまるで女性のように、女王様のペニスをフェラチオする。

「ほら、もっと奥までしゃぶって、もっと舌を絡ませなさい」

「ふぁい」

君はペニスを咥えたまま答え、さらにしゃぶり続ける。女王様は、そんな君を、蔑んだ目で冷然と見下ろしている。もちろん君はその視線を感じている。

「もういいわ」

やがて女王様はそう言うと、再び君の背後に回った。そして君の腰を両手で支え、赤いペニスをゆっくりと君のアナルの中へ沈めていった。

「あーん」

君は女王様のペニスに貫かれた瞬間、あられもない声を上げてしまった。女王様は、既にピストンを開始している。君はそれに合わせて腰を振った。

「どう?」

女王様が腰を振り、君を貫きながら訊く。

「気持いいです」

君は体を弾ませ、喘ぎ声を洩らす合間にそう答える。やがて女王様の右手が君の股間に伸びた。腰の律動を続けたまま、ペニスを握り、ローションに塗れた手でシゴき上げる。

「アーン、アーン」

君はアナルの快感とペニスへの刺激に身悶え、歯を食い縛ってそれに耐える。凄まじい快楽の波が君を貫いている。ペニスを握る女王様の手は、自在に蠢き、その指の腹は君の亀頭に押し付けられ、円を描くようにして刺激を与え続けている。

女王様が、挿入を続けたまま、君の両手の拘束を解いた。君は自由になった手を床につき、四つん這いのまま犯され続ける。女王様の体が、後ろから君の背中に覆い被さり、その両手が君の乳首を摘む。女王様は、乳首を抓り、引っ張る。君は背中を反らして喘ぐ。

「アーン」

「ほら、仰向けになりなさい」

女王様に尻を叩かれ、君はペニスを受け入れたまま体を捩って仰向けになる。今度は、正常位だ。君は足を広げて上に上げ、蛙がひしゃげたような格好で女王様を受け入れる。君は、あまりの快感に、思わずペニスを握り、シゴき始める。それを見て女王様はニヤリと笑い、「変態、もっと激しくシゴきなさい」と言って、君の顔に大量の唾をペッペッと吐いた。君は女王様の尊い唾に塗れながら、そしてもちろんペニスに貫かれながら、必死に腰を振り、そしてペニスをシゴく。

「さあ、イキなさいよ、ほら、ほら」

女王様が冷ややかな目で君を見下ろしながら、強烈なビンタを君の頬へ浴びせる。君は張り飛ばされながらも健気に、顔面を流れてきた女王様の唾を、舌を伸ばして必死に舐める。

天井の鏡に、女王様に組み敷かれている自分の姿が映っている。君はほとんど無意識のうちに足を女王様の腰に回してしがみついている。

だんだん、君の手の動きが早くなる。息遣いも荒い。女王様がアナルへのローションを追加し、ついでに君のペニスにも垂らす。君はそのローション塗れのペニスを激しくシゴき続ける。女王様の厳しいビンタが再開される。

「アンアンアンアンアン」

君は小刻みに体を弾ませ、ピストンを猛加速させていく。そして、やがて止まないビンタの嵐の中、「アーン」と一際大きく身悶え、足を突っ張らせると、ペニスの先端からねっとりとした白濁液を噴き上げた。その瞬間、女王様は咄嗟に上体を起こしてそれを避けた。

女王様の腰の動きが鈍り、終息へ向かう。君は執拗にペニスをシゴいて、最後の一滴まで搾り出した。そして、全身から力を抜き、仰向けのままぐったりとなる。

君の下腹部は、ローションと精液が混じり合って卑猥な澱みを作っている。女王様が、「いっぱい出たねえ」と笑いながら、ゆっくりと擬似ペニスを引き抜く。

君の頬は赤く腫れ、ジンジンと痛んでいる。

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