悦楽の指

四つん這いになっている君は、飼い主に向けた尻を高く掲げ、頬を床につけて体を支えながら、自分の尻を両手でぐいっと広げた。
女王様から尻の穴が丸見えになる。
その無様な姿は鏡張りの壁にすべて映っていて、その破廉恥な自分の体勢を見て君は全身を真っ赤にさせた。
男としてなんとも屈辱的で、恥ずかしい格好だった。
ボンデージに身を包んだ女王様は、椅子に座って、そんな君を背後から見下ろしている。
その軽蔑の眼差しを冷ややかに注ぐ表情も、君からはよく見えて、羞恥心が爆発する。
壁は前後左右すべて鏡張りになっているので、どこへ視線を遣っても自分や女王様の姿が目に入ってしまう。
女王様が、ヒールの底で君の尻を蹴って言う。

「おまえ、そこの汚い穴に何か入れて欲しいんでしょ? だったら、ちゃんと何が欲しいか言って、態度でアピールしないと」
「はい」
君は更に高く尻を掲げ、一杯に尻の肉を広げながら、腰をくねらせてせがむように言う。
「この汚いお尻の穴を女王様のお指で犯していただきたいです!」
「はははは、なんて格好、よくやるわね。さすがは人間を捨ててるマゾ豚だわ」
女王様は軽く笑い、呆れたように訊く。
「そんなところに指を突っ込まれたいの?」
「はい、ほじくられたいです」
君はもじもじしながら頷く。
「最低だねえ、男のくせに女の指で掘られたいなんて」
「申し訳ございません」
君は顔が熱くなるのを感じながら目を閉じた。

「なんか金玉袋もカチンカチンだし、チンポもビンビン……しかも、何やだ、チンポの先から涎が垂れてるじゃない」
女王様はそう言って股の間に脚を差し入れ、ヒールの甲で下から君の玉袋とガチガチにそそり立っているペニスの裏側をパシパシと蹴った。
確かに君のペニスの先から透明の液が糸を引くように床へと垂れていた。
君は女王様の軽い蹴りに合わせて体を弾ませてしまう。
女王様は薄いゴムの手袋を両手に装着しながら、君の反応を盛大に笑う。
そして手袋をはめた手で、おもむろに君の金玉を握る。
袋ごと掌で包み込んで揉みしだき、そのまま茎をしごく。

「あぁん」

君は身悶えながら声を漏らす。
「なんて、はしたない声を出すの」
女王様は笑い、親指の腹を使って君の亀頭を擦る。
「あ、あ、じょ、女王様~」
君は腕をL字に折って肘を床につきながら体をなんとか支え、快感に堪える。

やがて股間への刺激が去り、続いて、剥き出しの尻に冷たくトロリとした感触が伝わった。
女王様がたっぷりとローションを垂らしたのだった。
君はその冷たさに思わず尻の穴を窄めた。
女王様はそのきゅっと締まったアヌスを解すように、人差し指でゆっくりとほじった。
その感覚に合わせて君の尻の穴はひくひくと収縮し、じきに女王様はぶすりと指を差し込んだ。

「あぁぁぁん」

君はアナルをきゅっと窄ませて女王様の指を咥え込んだ。
女王様はそのままゆっくりと指を出し入れし、だんだん緩め拡張していく。
そして、二本目の指、中指も挿入され、君は体を硬直させる。
二本の指のピストン運動に、ローションに塗れた穴はくちゅくちゅと卑猥な音を立てた。
指のスピードがだんだん早まり、君の呼吸も荒くなる。
快感が君を貫き、女王様が指を止めないまま命じる。

「ほらマゾ豚、気持ちいいんでしょ? このままオナりなさい」
女王様が君の尻を掌で叩く。
「はい!」

君は左手と床につけた頬で体を支えながら、右手を股間へ伸ばし、完全に勃起しているペニスをしごく。
その手の動きとアナルを犯し続けるピストン運動の律動と同調させると、君の呼吸は更に激しくなった。
凄まじい快感がアヌスとペニスからせり上がってきて、君を狂わせていく。

「あんあんあんあん」

君は悦楽の指を尻の穴で咥え込みながら体を弾ませ、淫らに喘ぐ。
不自由な体勢のまま、快感を貪り尽くすように、ひたすら激しくペニスを擦り上げる。
ふと目を開くと、横の鏡の壁に、バックで犯される女のように尻を指で掘られながら恥ずかしげもなく自慰を晒す自分がいて、羞恥心が爆発した。
ちらりと、高く掲げた自分の尻の向こうを覗くと、しゃがみながら二本の指でアナルを犯す女王様の姿があった。
女王様は、咥え煙草で紫煙を燻らし、時折その煙が目に入るのか、眉間に皺を寄せながら、君の昂りとは対照的に、冷めた表情で人差し指と中指を縦に二本揃え、きわめて事務的に君の尻の穴に淡々と出し入れしていた。

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